あらすじ

-Story-

それは、誰も知らない夜の一族が綴る、狂おしい愛の物語………

由緒ある旧家・赤月家の一人娘である楓子ふうこは、幼くして母を亡くし、
厳格な父と二人きりで先祖代々受け継ぐ洋館で暮らしていた。

高校でも家でも常に息苦しさを感じていた楓子は、自分だけが世界から切り離されたかのような……
透明な檻で区切られたかのような、言い知れぬ孤独を感じていた。

そんなある日。学校から戻ると、出迎えた父に
名家・黒葛原つづらはら家とのお見合いを薦められる。

父の頼みを断り切れずにお見合いに行くことを幼馴染みの花奏かなたに話すと、
偶然にも黒葛原家は花奏の実家であることがわかった。

花奏に付き添いを頼んで無人駅に降り立つと、暗く深い森の最奥へと導かれてゆく。

閉ざされた森の中にそびえ立つ古い屋敷の中で、その晩、血に濡れた事件は起こった………